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2015年 01月 17日
日光市の佐藤さんからメールが届きました。今回は毎日新聞に載った浜矩子(はま・のりこ)さんのコラムをご紹介します。
危機の真相:15年度予算・政府案 許されぬ公共財の私物化=浜矩子 毎日新聞 2015年01月17日 東京朝刊 国防費はまた増えた。これまでで最大の規模になる。生活保護費は、また支給基準が見直されて、一部減額になる。整備新幹線の建設・開業を前倒しする。沖縄振興予算は5年ぶりの減額になる。公共事業の規模は前年並みに維持される。法人実効税率を2016年度までに3・29%引き下げる。赤字企業への課税を強化する。 これが、15年度に向けての日本の財政と税制の姿だ。政府案通りに運べば、そういうことになる。これは公共財の私物化ではないか。筆者はそう思う。公共財とは、広く人々に便益が及び、その提供に公的部門が責任を負うモノやサービスを指す。あまり教科書的な定義の仕方ではないが、このようにとらえて大過ないだろう。このような観点から考えた時、政府の予算や一国の租税制度は、典型的な公共財だといえる。その便益が幅広く、しかも公平・公正に人々に及ばなければいけない。えこひいきは許されない。えり好みはご法度だ。 予算編成や租税制度のあり方に、政策意図が反映されるのは当然だ。だが、その政策意図は、あくまでも、公共性をもったものでなければならない。公益性も担保されていなければならない。政治家がやりたいと思うことと、政策意図は違う。政策意図の中に私的願望を塗り込めるのは、権力の乱用だ。政治家が軍備を強化したいと思うから、国防予算を膨らます。気に食わない相手をいじめたいから、支援規模を削り込む。人気を取りたいから、鉄道の整備を急ぐ。大企業を優遇したいから減税する。このようなやり方のどこに公共性があるのか。 そうこうするうちに、15年末の日本の公的債務残高は、対国内総生産(GDP)比で233・8%という規模に膨らむ見込みだ(一般政府ベース、経済協力開発機構=OECD見通し)。とんでもない数字である。来年度に関していえば、新規国債の発行は減る計画になっている。法人税収が伸びているからだ。だが、これには政府が力こぶを入れた円安や株高が効いている。いわば、自作自演の体裁づくりだ。 GDPの2倍強という借金の規模は、ほとんど常軌を逸している。この狂気の沙汰を放置したままで、歳出を過去最高のレベルに押し上げる。このような対応が、どう考えれば公共の利益につながるといえるのか。今、債務危機が再びクローズアップされているギリシャでさえ、その債務残高比率は179・9%だ。この数字も相当なものだが、日本に比べればかわいいものだ。 日本国政府は、事実上、破産している。そういうほかはない。このような状態にみずからを追い込み、それを放置することこそ、最も公共性にもとるといえるだろう。行財政サービスを破綻なく供給し続ける。これが、国家という名のサービス事業者の本源的な役割だ。この責務を順当に果たし続けていくためには、国というサービス事業者の財政基盤は、常に安泰でなければならない。そこにきちんと気配り、目配りができていなければ、話にならない。政策意図を語るのは、この基本要件が満たされた上での話だ。いわんや、公共財の私物化を政策意図と取り違えるなどということは、もとより、論外だ。 借金を返すために借金を繰り返しながら、派手な事業のあれこれに手を染めてゆく。腕力強化のためにむやみと買い物をする。その分、弱者救済を手抜きしたがる。逆らう者に対してリベンジに出る。このようなことがまかり通ってしまっていいのか。 こんな具合に憤慨していたら、ある人のある言葉が頭に浮かんだ。その人は、ジョージ・バーナード・ショーである。アイルランドが生んだ大劇作家だ。毒のある諧謔(かいぎゃく)では、この人の右に出る者はいない。ショー先生いわく、「ポールにカネを払うためにピーターからカネを奪う政府は、常にポールの支持を当てにできる」。まことにしかり。今の日本国政府にとって、誰がポールで誰がピーターか。それがあまりにも露骨に分かってしまう。分かりやす過ぎて、笑っていいやら泣いていいやら。それが分からなくなってくる。 ショー先生の辛口好敵手が、かのジョン・メイナード・ケインズだった。この2人の毒舌合戦はまことに面白い。そんな2人だし、話が財政問題となれば、ケインズ先生語録もみておかなければ、申し訳ないだろう。実際に、二つのケインズ発言が今の状況に対して示唆的だ。 発言その一は「政府というものにとって重要なのは、個々人が既にやっていることを彼らより少し上手に、あるいは少し下手クソにやることではない。ほかの誰もやっていないことをやるのが、政府の仕事だ」。これもまた、まことにその通りだ。ほかの誰も手を差し伸べない弱者。放っておけば、誰も提供しようとしないが、大切なサービス。そのような領域に、政府の役割がある。ケインズ発言その二。「今の私は、自分が軽蔑する政府のために、自分には犯罪的だと思える仕事をしている」。同感な方が、今の日本にも多いのではないか。
by ohashiakada
| 2015-01-17 16:57
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