仙台から三島町の鶴の湯に湯治に来ている男性がいた。数日間、毎日午後3時過ぎになると大芦家へやって来て、そばやうどんを注文。そして大芦家にある本棚から本を取り出し熱心に読みふけっていた。そして、本を読み終わった男性は「この本面白かった!」とすがすがしく言い放った。本を読み終わった翌日から男性は大芦家へ来なくなってしまった。男性が読んでいた本は、御手洗瑞子(たまこ)著「気仙沼ニッティング物語(下の写真)」。私もさっそく読んでみたが面白かった。御手洗さんは1985年東京生まれ。東大卒業後マッキンゼーに就職。その後ブータンの臨時公務員に。そして縁あって気仙沼で毛糸編みの会社を設立することになる。御手洗さんが目指す会社とは何か。誇りをもって仕事をする。うれしさを伝える。稼げる会社になる。世界中の人がお客様、など。会社は初年度から黒字経営。市に納税もしてる。どこかの会社とは大違い。毛糸編みをしているのは30名。ほとんどが気仙沼市内の主婦。自宅で自分のペースでセーターを編んでいる。編みあがったセーターはネットや気仙沼市内の店舗で販売。値段は高くても手編みのセーターは売上を伸ばしているのだ。この本は御手洗さんが起業してから現在に至る3年間の奮闘記。読んでいてとても元気が出た。共感できることもたくさんあった。