10月13日(火)くもり
磯崎憲一郎著「日本蒙昧(もうまい)前史」を読み終えた。久しぶりに一冊丸ごと読んだ。それだけ読みやすかったということか。蒙昧の意味は「知識が低く道理に暗いこと」。本の帯には「我々は滅びゆく国に生きている。そしていつでも我々は、その渦中にあるときには何が起こっているかを知らず、過ぎ去った後になって初めてその出来事を知る」とある。物語は1970年代から80年代にあった大阪万博、三島由紀夫の自決、五つ子ちゃん誕生、ロッキード事件、グリコ・森永事件、密林に28年間身を潜めていた元日本兵(横井庄一)などが登場する。
磯崎氏は本の中で「(大阪万博の太陽の塔に立てこもった男性について)こういう面白い事件、後の時代であればぜったいに起こり得ない、人に語って聞かせたくなるような事件がじっさいに起こった分だけ、やはり当時の世の中はまだまともだった。そう思いたくもなってしまう。核エネルギーの平和利用は可能であると主張し、交通事故死の急増も繁栄のためには免れ得ない犠牲と諦めていた。有機水銀化合物をそのまま海に垂れ流しても希薄化されるのでさしたる問題はないと信じ込むほど、我々はじゅうぶんに無知で、蒙昧であったが、自分たちの理解を超える事象に対してまで恥ずかしげもなく知ったかぶりをするほどは傲慢ではなかったということなのか?」とかいている。
また、横井庄一の言葉を借りて「グアム島では金なんて一銭も使わずに28年間生き延びた自分だというのに、日本に帰ってきた途端、金なしでは一週間だって生活できない。情けない身体に変わり果ててしまった。金という権威に負けて、服従させられている!本来的には延々と続く労働から人間を解放する機能を担っていたはずの貨幣が、逆に人間を束縛している!これはまったく信じ難い事態だった。」いろいろと考えさせられる。
最後にこの本をおくってくれた南会津町田島出身で東京都野方在住の星裕典さん(64)にお礼を述べたい。
シェアハウス「ゆうゆう大芦」工事は順調に進んでいます
えらいひとたちを敵にしてしまったね
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